魚山 聲明とは

大原 来迎院

魚山 聲明ぎょざんしょうみょうとは

大原 勝林院

大原 勝林院

聲明は、印度・中国・日本の三国伝来の伝統的な仏教音楽です。喜怒哀楽の感情表現である一般的な音楽に対して、聲明は感情を抑え、涅槃寂静ねはんじゃくじょう(さとりの世界)に向かう仏道修行の一つでした。日本では、慈覚大師円仁じかくたいしえんにん(天台第三代座主)が中国より伝え、京都大原の地で伝承されてきました。この聲明を魚山聲明ぎょざんしょうみょうと呼びますが、この魚山の名は中国の故事によるもので、「唐土に魚山という山があり、そこに一人の僧がいて、聲明がすこぶる勝れていた」とも、「聲明がインドから中国に初めて伝わった地を魚山という」とも言われています。この故事にちなみ、日本で聲明を伝承する地、大原を魚山と呼ぶようになりました。
魚山聲明の特徴は自然な音の変化にあると言えるでしょう。
風や、波などの自然の風光をそのまま音であらわしたその曲質は、人間の分別の心が消され、自然と一体となるような感覚を覚えます。
その一千年を超える歴史の中で、魚山聲明は多くの仏教宗派に広がり、各宗派に於いてそれぞれ独自の発展をしてきました。また、催馬楽、朗詠、謡曲等の日本の古典芸能の多くはこの魚山聲明を源流とし、日本の音楽文化に大きな影響を与えてきました。

「聲明 引聲散華楽いんぜいさんげらく

 

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当山では、毎月聲明研鑽の会(西六条魚山会)が開催されております。